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マネジメント

マネジメント

 


企業の目的の定義は、顧客を創造することである。

 


これまでのマーケティングは、販売に関係する全職能の遂行を意味するにすぎなかった。それではまだ販売である。われわれの製品からスタートしている。われわれの市場を探している。これに対し真のマーケティングは顧客からスタートする。すなわち現実、欲求、価値からスタートする。「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。

 


売上の伸びとは関係なく、市場シェアは企業にとって致命的に重要である。

 


経済活動には三つの経営資源が必要。

1つ物的資源

2つ人材

3つ資金

 


「不確実な明日のために今日何をなすべきか」

 


経済活動とは、現在の資源を未来に、すなわち不確実な期待に賭けることである。経済活動の本質とは、リスクを冒すことである。

 


人にとって、働くことは重荷であるとともに本性である。呪いであるとともに祝福である。それは人格の延長である。自己実現である。自らの価値を測り、自らの人間性を知るための手段である。

 


働くことが成果と自己実現を意味した時期や組織があった。その典型が、国家存亡の時だった。

 


働く者が職務に誇りを持つようになったことが最大の収穫

 


マルクス主義は、所有関係に焦点を合わせた。家族的マネジメントの信奉者は、住宅や医療などの福利に焦点を合わせた。だが、それらのものは重要であっても、やりがいのある仕事には取って代わるものではなかった。

 


働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには

①生産的な仕事

②フィードバック情報誌

③継続学習が不可欠である。

 


人が雇われるのは、強みのゆえであり能力のゆえである。組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある。

 


未来を予測することは不可能である。したがって決定したことを実行に移し、時には修正してくれる者、すなわち明日のマネジメントを行う者を試し、選び、育てて、初めて今日の意思決定を責任あるものとすることができる。

 


真摯さの欠如の定義

①強みよりも弱みに目を向ける者をマネージャーに任命してはならない。できないことに気づいても、できることに目のいかない者は、やがて組織の精神を低下させる。

②何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネージャーに任命してはならない。仕事よりも人を重視することは、一種の堕落であり、やがて組織全体を堕落させる。

③真摯さよりも、頭の良さを重視する者をマネージャーに任命してはならない。そのような者は人として未熟であり、しかもその未熟さは通常治らない。

④部下に脅威を感じる者を昇進させてはならない。そのような者は人間として弱い。

⑤自らの仕事に高い基準を設定しない者もマネージャーに任命してはならない。そのような者をマネージャーにすることは、やがてマネジメントと仕事に対するあなどりを生む。

 


意見の相違を重視する

ある案だけが正しく、その他の案は全て間違っていると考えてはならない。自分は正しく、他の人の案は間違っているとも考えてはならない。なぜ他の者は意見が違うのかを明らかにすることからスタートしなければならない。明らかに間違った結論に達している者がいても、それは、何か自分と違う現実を見、自分とは違う問題に関心を持っているからに違いないと考えなければならない。

 


行動すべきか否かの判断の指針

①行動によって得られるものが、コストやリスクよりも大きいときには行動する。

②行動するかしないかいずれかにする。二股をかけたり妥協したりしてはならない。

 


意思決定に大事なのは、問題への答えではなく、問題についての理解である。

 


あらゆる事物に複数の側面があることを認識することは至難である。しかしコミュニケーションを成立させるためには、受け手が何を見ているか知らなければならない。

 


受け手が期待しているものを知ることなく、コミュニケーションを行うことはできない。期待するものを知って、初めてその期待を利用することができる。

 


実は、こうして同じ事実を違ったように見ていることをお互いに知ることが自体が、コミュニケーションである。

 


コミュニケーションが成立するには、経験の共有が不可欠だということである。

 


成果よりも努力が重要であり、職人的な技能それ自体が目的であるかのごとき錯覚「生んではならない。仕事のためではなく成果のために働き、贅肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来のために働く能力と意欲を生み出さなければならない。