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フランクリン自伝

フランクリン自伝

ただ謙遜な遠慮がちな言葉で自分の考えを述べる習慣だけは残し、異論が起こりそうに思えることを言い出す時は「きっと」とか、「疑いもなく」とか、その他意見に断定的な調子を与える言葉は一切使わぬようにし、そのかわりに、「私はこうではないかと思う」とか、「これこれの理由でこう思う」とか、「私が間違っていなければこうでしょう」とか言うようにした。

 


言葉というものがわれわれに与えられた目的、つまり知識なり楽しみなりを与えたり受けたりすることを片っ端からダメにしてしまうような、押しの強い高飛車な言い方をして、せっかくの善を為す力を減らしてしまうことがないよう、私は思慮に富む善意の人々に望みたい。

 


ソクラテス流の論法を使い、しばしば当面の問題とはまるでかけ離れているように見える質問を出しては彼をわなにかけ、しかもそうしながら次第に論争点に導いて行った。

 


私は人と人との交渉が真実と誠実と廉直とをもってなされることが、人間生活の幸福にとってもっとも大切だと信じるようになった。

 


またすべて目的は、手段がなくては達成されないのですから、あなたのような方でさえ、何かある一つの計画を立て、それによって立身出世なさったのだということが分かるでしょう。その一方、結果がどれほど素晴らしいものであっても、手段は叡智を使って出来るだけ単純なものになっていること、つまりその人の本性、徳性、熟慮、習慣に基礎をおいていることが同時に分かるでしょう。

 


人はみな世の中の舞台に登場するに当たって、それぞれ適当な時期を持つべきだということです。人の気持ちはもっぱら目の前の一瞬だけに向けられているため、私たちは最初の一瞬間のあとになお多くの瞬間が続くこと、したがって人は生涯こあらゆる瞬間に合うように行動しなければならぬことを忘れがちです。

 


十三徳

1.節制 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。

2.沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。

3.規律 物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。

4.決断 なすべきことをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。

5.節約 自他に益なきことに金銭を空費するなかれ。すなわち、浪費するなかれ。

6.勤勉 時間を空費するなかれ。つねになにか益あることに従うベし。無用の行いはすべて断つべし。

7.誠実 詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正を保つべし。口に出すことも然るべし。

8.正義 他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。

9.中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。

10.清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。

11.平静 小事、日常茶飯事、たたは避け難き出来事に平静失うなかれ。

12.純潔 性行はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、

13.謙譲 イエスおよびソクラテスに見習うべし。

 


私は心から願った道徳的完成の域に達することはもちろん、その近くに至ることさえできなかったが、それでも努力したおかげで、かような試みをやらなかった場合に比べて、人間もよくなり幸福にもなった。ちょうど法帖(字の見本)を手本として完全な筆法を会得しようとするものが、手本通りの理想的な筆跡になることはできなくても、骨折っただけ筆跡はよくなり、きれいに明瞭に書いてさえいれば、相当見られるようになるのと同様である。

 


一度面倒を見てくれた人は進んでまた面倒を見てくれる。こっちが恩を施した相手にはそうはいかない

 


「初めの100ポンドさえ貯めてしまえば、次の100ポンドは1人でに貯まる」ということわざが真実であるということを実際に体験した。金というのは本来繁殖力の強いものなのである。

 


われわれは他人の発明から多大の利益を受けているのだから、自分が何か発明した場合にも、そのため人の役に立つのを喜ぶべきで、それを決して惜しむことはあってはならないという考え方である。

 


人間の幸福というものは、時たま起こる素晴らしい幸運よりも、日々起こってくる些細な便宜から生まれるものである。

 


人間は何かやっている時が一番満足しているものである。というなは、仕事をした日には彼らは素直で快活で、昼間よく働いたと思うものだから、晩は楽しく過ごすのであったが、仕事が休みの日にはとかく逆らいがちで喧嘩っぽく、終日不機嫌でいるのだった。

 


礼拝に出席しないからと言って軍律で処罰するよりも、インセンティブを用いた方法の方が望ましいと考えた物である。

 


この法律に対して一般民衆が好意を持つように骨を折った話をして、うまく行ったのも彼の努力のおかげであるようなことを言った。私の方ではすべては自分の書いた『対話集』のせいだと自惚れていたが、彼の言うことが正しくないとも言いかねるので、好きなように思わせておいた。こう言う場合には、たいていこのようにするのが一番良いと思う。

 


空の袋は真っ直ぐには立ちにくい

 


人生を大切に思うと言われるのか。それならば、時間をむだ使いならぬがよろしい。時間こそ、人生を形作る材料なのだから

 


時間の浪費こそ、1番の贅沢

 


ものぐさは万事を難くし、勤勉は万事を容易にす

 


仕事を追い立てよ。仕事に追い立てられるな。

 


勤勉な者は願をかけるに及ばず、希望に生きる者は空腹に死す。

 


今日の1日は明日の2日に値する、したがって、明日なすべき事あらば、今日のうちにせよ

 


金持ちになりたいとお思いでしたら「稼ぐだけでなく、残すことを考えよ、西インドを手に入れながら、スペインはついに富める国になれず終わった。出るほうが多いからだ。

 


買う必要のないものを買ったら最後、やがてそのうちに、なくてはならぬものまで売り払わねばならぬことになる。

 


虚栄心は、貧乏と同じく、乞食のごとく求めてやまず、しかも厚かましさの点では、貧乏のはるか上を行く

 


貧しい人が金持ちの真似をするのは愚の骨頂で、ちょうど蛙が腹を膨らませて、牛に負けまいとするのと同じです。

 


人から金を借りることは、その人にご自分の自由を売り渡すのと同じことなのです。つまり、期限が来ても、返済ができないとなると、面目がなくて債権者に顔を合わせるのが辛くなります。

 


得られるものは得よ、得たものは手放すな。これぞ鉛を黄金に変える石

 


心をつつましく保って神の祝福を求める一方、現在、神のみ恵みにあずかっていないと思える人々にたいして、無慈悲な態度に出ることなく、これを力づけ、助けてあげるように心がけて下さい。ヨブがあれほど苦しい目にあいながら、しかものちには栄えたことをお忘れにならないように。

 


経験の経営する学校は月謝が高い。だが、愚か者はそれ以外の学校へは上がろうとしない。おまけに、上がっても、ろくなことは覚えない。