LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる
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「誰とでも話ができる」は「誰の話でも聞ける」ということ
ジャーナリストとしての私にもっとも役に立っている学びは、適切な質問さえすれば、誰もが面白くなるということです。もし退屈で面白くない人がいるなら、それはあなたに原因があります。
自分に関心を持ってもらおうと過ごす2年間よりも、他の人に関心を持って過ごす2ヶ月間の方が、多くの友人を作ることができる。
あなたは、自分についてはもう知っています。でも話し相手のことや、その人の経験から自分が何を学べるのか、会話が始まる時点ではまだわかりません。その会話から何かしら学ぶことが目標です。
人間はたいてい、とりわけ社会的には、不確実性を嫌います。
しかし逆説的ではありますが、生きた実感をいちばん味わわせてくれるこは不確実性です。
予測不能だからこそ、人は興味深いのです。不確実性を避けたいがために人の話に耳を傾けないのとしたら、そこで確実に起こることは、退屈な時間と、新しい学びがないためにあなた自身もつまらない人間になる、それだけです。
実は私たちの誰もが、愛する人に関しては思いこみをする傾向にあります。これは「近接コミュニケーション、バイアス」と呼ばれています。
何を話すか、どの程度話すかは、そのときあなたが聞き手をどう感じるかによって変わります。表面的にしか聞いていないとか、粗探しのために聞いている、もしくは意見を言う機会をうかがいながら聞いているような相手には、大切な自己開示をあなたはおそらくしないでしょう。逆も然りです。
「自分がなぜその話を相手にしているのか、自分にとってそれがどういう意味を持つのか。人は、それを相手に理解してもらいたいのです。話の細かいところを知ってもらうことはそこまで重要じゃありません」
「この人はなぜこの話を私に聞かせているのだろう?」と常に自問しながら聞いてみてください。
「誰かに意識を完全に集中させると、その人についてどれだけ知ることができるか、びっくりするほどですよ」
話し続けず、一呼吸おいて人の話に耳を傾けないと、チャンスを逃してしまいます。自分のことを話すばかりでは、自分の知識に新しいものは何も加わりません。繰り返しになりますが、あなたは自分自身についてなら、すでによくしっています。
「私が考える優れた聞き手とは、他の人の経験や考えに喜んで耳を傾け、相手の視点を認められる人です。」
相手の話をすべて受け止めた方が、もっと的確な反応ができます。
あまりにも会話に夢中になって我を忘れてしまい、時間の感覚を失ってしまったことが。どの会話だって、そうできるのです。
「もし相手に対して『自分の役に立たない』とか、『話を聞いている時間がもったいない』、『つまらない』などと思っていれば、どんなにうなずき、言葉を言い換え、相手の目をしっかり見ていても、嘘だとバレて交渉が失敗するでしょう」
では、どんな姿勢でいるべきでしょうか。「それは、好奇心を持つことです」
「バカはそっちだ」と言いたい衝動を抑えるには、怒りに満ち、いらだち、警戒するのではなく、落ち着き、オープンで、好奇心に満ちた心を持つように、自分に言い聞かせるのです。
自分と意見が合わない人に、敵のように反応したいと感じたその瞬間に、深呼吸して相手に質問しましょう。
「聴くこと」は、想像工夫の原動力です。聴くことなしに欲求を理解し、問題を察知するのは無理な話ですし、完成度の高い解決法を生み出すなど、なおさらできません。
「私が学んだ聴くことの真の秘訣は、自分のことはどうでもいいということです。私は、目の前に空のコップを差し出しています。相手には、私のコップを満たして欲しいのです。彼らのコップは空のままで」
聞くことができない人のおおもとの原因は、不安感なのだそうです。
面白さとは、正直さ、親密さ、親しさから生まれる副産物なのです。
自分の恐怖心や感受性のせいで人の話をきちんと聞けなくなったときに、自分で認識するのです。
認知的複雑性は、さまざまな考え方を許容する、関連づける、新しいアイデアを思いつく、といった大切な能力です。内なる対話はこの力を伸ばし、その基盤となります。
「ずらす対応」で、動揺している人や悲嘆に暮れている人の話を聞いたとき、自分が相手の感情を苦痛に感じてしまうために、その問題を解決してあげようとしたり、安心させようと説得してしまう時に起こるのです。
しかし、他の人の問題を知ったからといって、あなたがそれを解決しなければならないわけではありません。あなたに解決してほしいだなんて思っていません。ただ、壁打ち相手が欲しいだけです。
相手の状況を「感じとる」のが、深く聞くこと
「人はいつも、自分が何者かを話してくるんだ」
常に自分を売り込みたいと必死になると、人は表現が大袈裟になりがちです。そうすると、会話のレベルは下がり、皮肉な態度を助長します。
たいした実績がない人ほど自慢したがる。
こういった人たちの会話は自己中心的ですが、それは嫌な奴だからというより、根深い自信のなさや、不安、弱みのあらわれであることが多いものです。
「自分が間違っているかもしれないと認めるのは簡単だ。しかし、自分が好きなものや嫌いなものを間違えているはずはない。」と書いています。ということは、相手に、自分についてどう感じるかを変えて欲しいと説得するよりも、自分をどう感じているのかに耳を傾けた方がいいですね。愛情を、議論と説得で勝ち取るなどできません。きずなを築くのに一番確実な方法は、相手の話に心から耳を傾けることです。
優れた聞き手は、相手が自分の内なる声を見つけるのを助けようと、時間をかけて手をつくします。そしてその過程で、親密になり、理解を深められます。
相手に注意を向け続ける才能がある人も、努力でそれを成し遂げる人もいます。どちらのタイプであれ、聞き手が注意を向け続ければ、人は心の内を打ち明けてくれるでしょう。
明確な許可がないなら、その情報を勝手に教える立場にありません。
「これまで私が最も称賛されたと感じたのは、ある人が私の考えを尋ね、その答えにじっと耳を傾けたときでした。」ルソー