ファスト&スロー上 要約抜粋
ファストスロー上
エラーの中でも特定の状況で繰り返し起こる系統的なエラーをバイアスと呼ぶ。
ヒューリスティック(近道の解決法)
ヒューリスティックに頼ると、答には予測可能なバイアス(系統的なエラー)がかかることになる。
思い出しやすさ、入手しやすさに判断されることを「利用可能ヒューリスティック」と呼ぶ。
熟考や論理的思考をほとんど行わず、好きか嫌いで決める
システム1
自動的に高速で働き、努力は全く不要で、自分の方からコントロールしている感覚はない
システム2
複雑な計算など頭を使わないとできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。
フロー
まったく努力しなくても極度に集中でき、時が経つのも、自分自身のことも、あれこれの問題も全て忘れてしまう状態のこと。＝最適経験
イデオモーター効果
鉛筆を横に加えて読むだけで、おもしろいと答える人が増える。
このことから、「自分がどんな気持ちの時も、常に優しく親切にしなさい」と言う忠告は，親切な気持ちになる。
例 自信がなくても、自信があるように見せれば自信が出てくるのもイデオモーター効果
単純接触効果
誰かに嘘を信じさせたいときは，何度も繰り返すことである。
頻繁に見せられた単語や写真ほど好きになる
WYSIATI
What you see is all there is(自分の見たものが全て)
アンカリング
明らかにでたらめなアンカーであっても、手がかりとなりうるアンカーとほぼ同じ効果をもたらす
最初のアンカーは絶大な効果を持っている。
対処法として，相手が途方もない値段をふっかけてきたと感じたら，同じように途方もない安値で応じてはダメだ。値段の差が大きすぎて，交渉で歩み寄るのは難しい。
それよりも効果的なのは，大げさに文句を言い、憤然と席を立つか、そうする素振りをすることだ。そうやって，そんな数字をもとにして交渉を続ける気はさらさらないことを、自分にも相手にもはっきり示す。
私たちの思考や行動がその瞬間瞬間の状況に、自分が気づいている以上に、あるいは望む以上に左右される。
したがって私たちが対処できるとすれば，何らかの数字が示されたら，それがどんなものでもアンカリング効果を及ぼすのだと肝に銘じることである。
夫と妻にあなたの貢献度はどれくらいかと尋ねると100%を余裕でオーバーする。なぜなら、自分がしてきたことが一番思い出しやすいから。
その対処法として，相手が自分にしてくれたことを思い出してバイアスを排除することが有効である。
利用可能性バイアスを利用する方法を考え出した。学生たちに講座の改良点を多く挙げるよう指示したクラスほど、講座に高い評価をつけた
感情ヒューリスティックは、連想一貫性が発動している。好きなもののメリットはたくさん浮かぶが嫌いなもののメリットはほとんど浮かばず、デメリットしか出てこない
利用可能カスケード
バイアスが政策に入り込むメカニズムのこと
平均への回帰
私たちの頭は因果関係を見つけたがる強いバイアスがかかだており、「ただの統計」はうまく扱えない。
私たちは回帰が検出されると，ただちに理由付けが始まる。だがこれは誤りで、平均回帰を説明できても、原因は存在しない。
予想を行うための手順
1 平均GPAを予想する
2 手元情報(読書年齢)に対するあなたの印象に釣り合うGPA(暫定GPA)を決定する
3 手元情報とGPAとの相関性を推定する(ここでは30%とする)
4 相関関係＝0.3として、平均GPAから30%だけ暫定GPAに近づいた数値を最終推定値とする。
ハロー効果
ある人のたった一つの目立つ特徴についての判断に、すべての資質に対する評価を一致させようと仕向けるバイアス
例 良い人間がやることは全てよく、悪い人間がやることは全て悪い
後知恵バイアス
最初の信念を再構築する様に指示されたグループは、結局のところ、現在の意見で間に合わせた
自信があるのは、情報に整合性があって情報処理が認知的に容易であるからに過ぎない。必要なのは、不確実性の存在を認め、重大に受け止めることである。
ハリネズミと狐
ハリネズミは一つの世界観を持っていて，どんな出来事も一貫したフレームワークで説明する。だからハリネズミ同士の議論はテレビ受けする。
狐は、一つの事柄や一つの思想が歴史の行進を率いるとは考えない。そこでは偶然が大きな役割を果たして、予測不能な結果をもたらすと認めている
専門家の予想よりも計算式の方が、特殊な例以外明らかに当たる！
例 結婚が続くかどうか予測する計算式
セックスの回数ー喧嘩の回数
